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『壇蜜日記』に触発されて日記を綴ることにした。twitterやfacebookとは別に、毎日日記を書くことの大変さは理解しているが、敢えてチャレンジしてみる。ブログを書きながら実感しているが、僕にとって書くことは心身共に大きな疲弊を伴う。それだけ集中し、言葉を選んでいるからだと思う。日記を続けることで、この疲弊は解消されるのか試してみたい。

『佐藤可士和の超整理術』(著:佐藤可士和)


AmazonKindle用の本がセールだったので、まとめ買い。購入した本は5冊。セール対象の本だけ購入しようとしたのですが、気になる方々の本も購入してしまい、Amazonの罠に見事にハマりました...(((( ;゚д゚))))アワワワワ

セール対象


セール対象でなかった本

  • 『裏方ほどおいしい仕事はない!』(著:野村泰彦) 952円
  • 『2回以上、起業して成功している人たちのセオリー』(著:博報堂ブランドデザイン) 741円

で、しばらく積読状態、いや、Kindleだから積読という物理的な厚みはないのですが、ほったらかし状態が続き、少し時間ができたので『佐藤可士和の調整理術』を読みました。佐藤可士和さんの普段のお話し同様、ムダがなく、論理的に構成されているので、短時間で読み終えることができました。うん、佐藤可士和さんらしい。


 佐藤可士和の超整理術


僕自身は、仕事で「N702iD」という携帯電話を商品企画した際に、佐藤可士和さんとご一緒し、色々と多くのことを学ばせていただきましたが、その時に頂戴したメッセージが散りばめられている一冊でした。




僕は2000年から携帯電話の商品企画に携わったのですが、佐藤可士和さんとのプロジェクトを担当するまでは、N50XiシリーズやN90Xiシリーズという最新&最高スペックを搭載したモデルの商品を常に担当していました。
今ではモバイルライフでのスタンダードとなったPCサイトのブラウジングですが、当時(2004年頃)はiモードが全盛だったので、誰がPCサイトのブラウジングをするの?という空気感の中、NTTドコモの携帯電話で初めてフルブラウザを搭載したN901iSの企画を終えて担当したのがN702iDでした。そして、それが佐藤可士和さんとの出会いの瞬間でもありました。

N702iDを担当するまでは、新しいモデルを企画する際には、常に「プラス」だけを考えていればよかったのです。最新の機能をプラスする、もしくは、従来機能を改善して最高の機能に仕立て上げる、という感じ。
ぐらぐらゲームを考えていただければいいのですが、「プラス」というのはバランス感覚が求められる一方、何のためにプラスしているのかを忘れてしまう時があるのです。マスコットを乗せていく。乗せていくんだけど、乗せるほどにグラグラする。でも、乗せる。乗せる度ににマスコットが落ちる可能性も高まってくる。実は、マスコットを落とすために、マスコットを乗せているのかも?
何のためにプラスしているかを見誤ったり、忘れてしまうとバランスを崩してしまう。当時の携帯電話は、そのような感じでした。「プラス」の意味をちゃんと捉えているバランスのよいモデルは生活者から選ばれて、そうでないモデルは単なる機能過多でしかなく選ばれない。




そのよう中、佐藤可士和さんからN702iDの原型となるペーパープロトタイプを見せられた時に、僕はいつものように「プラス」視点でペーパープロトタイプを観察し、どのようにマスコットが乗っているのかを考えてしまいました。でも、答えは見つかりませんでした。つまり、当時の僕は、かっこいいデザインの携帯電話ができそうだなぁーとは思いつつも、その良さを理解できなかったのです。

プロジェクトがスタートし、毎週、佐藤可士和さんとミーティングする生活となりました。佐藤可士和さんは僕らにN702iDのコンセプトを繰り返し、丁寧に語ってくれました。徐々にコンセプトを理解しつつも、まだ、自分の中で十分に理解するには至りませんでした。

N702iDは、それまで僕が担当してきた最新&最高機能(スペック)を搭載したシリーズとは異なるN70Xiというシリーズ。なので、想定したターゲット/マーケットに対して、不要な機能(スペック)を「マイナス」するというのは簡単に理解できます。ぐらぐらゲームで言うと、マスコットを無闇矢鱈に載せず、また、バランスを崩すのであればマスコットを下ろすということ。それまでの「プラス」というアプローチに対して、「マイナス」というアプローチ。うん、これは理解できる。

でも、それだけではないのです...。

しばらくして、ようやく気づきました。そもそもグラグラするタワーに、バランスを考えてマスコットを乗せたり(プラス)、下ろしたり(マイナス)するということでなく、グラグラするタワーに問題がある。グラグラしないタワーをつくり、マスコットを再配置することを佐藤可士和さんはメッセージングしていたということに。つまり、視点を変えるということ。俯瞰して眺めることで、問題の本質にアプローチするということをメッセージングしてくださっていたのです。

佐藤可士和さんから学んだこと。それは、「視点を変えて問題を見極め、問題を解決する」ということ。

N702iDは、2006年2月24日に発売しました。佐藤可士和さんと出会ってから、約1年半という長期間のプロジェクトでしたが、僕が「視点を変えて問題を見極め、問題を解決するということ」という佐藤可士和さんのメッセージを理解できたのは、発売して数年が経ってからです。理解したつもりになっていても、理解するという段階に至るまでには長い時間を費やしましたし、その間には佐藤可士和さん以外に多くの方々との出会いが不可欠でした。佐藤可士和さんをはじめとして、多くの方々との出会いに感謝です。


<気になったキーワード>

  • 整理のための整理でなく、快適に生きるための本質的な方法論。
  • クライアントと綿密にコミュニケーションを重ねることで答えが見つかる。問診の重要さ。
  • 自分の作品を作るのではなく、相手の問題を解決する。
  • 状況把握→視点導入→課題設定の順に、課題解決を進める。
  • 問題の本質を突き止めることとは、「何が一番大切なのか」を見つけること。プライオリティをつけること。
  • 捨てることは、不安との闘い。
  • 広告なんて誰も見ていない。
  • 本質を探るということは、一見、物事の奥深くに入り込んでいくイメージがあるが、実は、どんどん引いて離れていくこと。客観的に見つめてこそ、今まで気づかなった本質を見つけられる。
  • 迷ったら具体的なシーンを思い浮かべてみる。
  • 様々な事項のクリエイティブディレクションに関わっているが、深く関わるきっかけになったのが携帯電話「N702iD」のデザインだった。
  • 他人事を自分事にできると、リアリティが生まれる。


<構成>

まえがき
第1章 問題解決のための“超”整理術
第2章 すべては整理から始まる
第3章 レベル1「空間」の整理術 プライオリティをつける
第4章 レベル2「情報」の整理術 独自の視点を導入する
第5章 レベル3「思考」の整理術 思考を情報化する
第6章 整理術は、新しいアイデアの扉を開く
あとがき