『任天堂ノスタルジー/横井軍平とその時代』(著:牧野武文)
2015年9月24日に参加した「軍平ナイト」。ずっと参加したかったもののタイミングが合わず、2012年以来、3年ぶりに開催された今回、ようやく参加できました。
そして、「軍平ナイト」に参加して、さらに興味を抱いた横井軍平さんやヨコイズムを知るために読んだ『任天堂ノスタルジー/横井軍平とその時代』(著:牧野武文)。
エスノグラフィ、プロトタイピング、リーンスタートアップ、自ら楽しむ、日常をゲーム化など、イノベーションに関する本に散りばめられたキーワードをノンフィクションで追体験できる一冊。“枯れた技術の水平思考”は、新結合、まさに“イノベーション”。
横井軍平さんが拘った創造性。表示色数や解像度というハイスペックでなく、人間の想像力を信じた故のロースペックへの拘り。僕も同じ。カラーよりモノクロが好き。今でも、タブレットでなくKindleで読書し、キングジムさんのポメラやブギーボードを愛用し、スマートウォッチもApple watchでなくwithingsが心地よい。
まずは、ローテクで考える。ローテクで解決できなかった時がハイテクの出番。
そして、特別付録の「横井軍平のらくがき」を見ると、なんかジーンと胸に響いて涙が出そうになります。
気になったキーワード
- 枯れた技術の水平思考とは、ものを考える時に世界に一つしかない、世界で初めてというものを作ること。競合がない、競争がない市場。
- 玩具は安く作らなければならない。そして、面白くなければならない。これを突き詰めていくと「枯れた技術の水平思考」に辿り着く。
- 横井のモノ作りで特徴的なのは、モノを作ったら、必ずそれを使ってイタズラをするということ。
- ただの玩具では他社と差別化できない、遊び方も同梱する。
- ゲーム&ウォッチやたまごっちのような暇つぶしのための道具を売るためには、ひとつ小さな実用性を入れておくことが大切。
- 1000のアイデアの内、999は使い物にならない。999のダメなアイデアをいかにして早くボツにして残りの1に到達するか。
- なにが必要なのかを考えるのではなく、なにが不必要なのかを考える。
- 50歳を過ぎたら自分の好きな仕事だけを楽しんでやりたい。
- 横井さんはイノベーションのつもりでやっていなかった。イノベーションを起こすと口に出してやっている奴にろくな奴はいません。
構成
第1章 今蘇る「枯れた技術の水平思考」
第2章 任天堂に突如現れたウルトラ事件
第3章 逆転の発想が生んだ光線銃
第4章 ゲーム&ウォッチと世界進出
第5章 ゲームボーイの憂鬱
最終章 バーチャルボーイの見果てぬ夢
特別付録 横井軍平のらくがき