『クロネコヤマト人の育て方』(著:水迫洋子)
amazonの配送業務の負荷が高く、働き方改革を進めているヤマト運輸。外圧でなく、自らが率先して改革を進めるのがヤマト運輸らしいと感じています。
それまで一つの宅配業者と認識していたヤマト運輸を、宅配業者という枠組みでは表現しきれない存在だと認識したのは311東日本大震災の時。セールスドライバー自らの判断で被災地に物資を輸送した世界に誇る実話。
本書を通じてセールスドライバーが自らの判断で行動できた理由がわかりました。そして、「企業で働く」の意味を考えさせられた一冊でした。
気になったキーワード
●ヤマト運輸には社員教育のメニューや接客のマニュアルがない。個々のセールスドライバーが自分で考え、自分の裁量で判断・実行し、体験を通じて中身を作っていく。
●ヤマトグループは理念を基に自律的に動く集団である。
●人には必ず持ち味があり、力を発揮できる領域がある。
●教育とは、一人ひとりが活躍できる場、成長できる場をどれだけ見つけてあげるか、見いだしてあげるか。
●ポイントは「サービスが先」と大事な方だけでなく、「利益は後」という要素を対比させること。
●少数精鋭のチームで培われる精神。自分も助けるし、仲間に助けてもらう。
●会社が好きというよりも「人が好き」な集団だから、何かにチャレンジできる。
●部下は、上司が自ら動いてやって見せる人かどうかを見ている。
●ドライバーではなく、セールスドライバーという役割と自負。
●提案者は誰でも自由。ただし、実行するのは提案者本人であることが原則。
●社員は「自分はヤマトが好きだ」とはっきり言う。会社に誇りを抱いている。