自分が住まう街での地域デザイン「こすぎの大学」(その11)~全国のソーシャル系大学が集結
僕が住まう街、神奈川県川崎市。
その川崎市で急速に再開発が進む街、武蔵小杉。僕は、武蔵小杉で2013年9月から「こすぎの大学」というソーシャル系大学を仲間と企画運営しています。
「こすぎの大学」は、毎月第2金曜日の夜、武蔵小杉に住んでいる・勤めている・関心のある方々が集う"学び舎"です。毎回、武蔵小杉に関わりのある方が"先生役"として登壇し、武蔵小杉での活動事例や想いを語っていただき、その後、"生徒役"である参加者同士が対話を通じて武蔵小杉の魅力を再発見すると同時に価値創出につながるアイデアを共創します。小学校のように4時限の授業形式でワークショップを進めることで、オトナがコドモのような純粋なキモチで街づくりを楽しむ、それが「こすぎの大学」です。
「こすぎの大学」のようなソーシャル系大学は、全国に71校存在するようです。(※1)
2015年より全国のソーシャル系大学が一同に介してお互いのノウハウなどを共有するコミュニティカレッジ・バックステージ(CCB)が開催され、「こすぎの大学」も参加しています。2015年は神戸モトマチ大学、2016年は柏まちなかカレッジ、2017年は土佐志民大学、2018年は信州アルプス大学がホスト校となり、それぞれのお膝元で開催。土地柄を活かしながら全国各地で様々なコミュニティ活動がされているんだと実感します。
2018年6月に信州アルプス大学がホスト校となり、長野県塩尻市で開催された第4回CCBでは、全国にソーシャル系大学が広がることを願って「CCB虎の巻」を作成しました。「CCB虎の巻」には全国で活躍される方々のノウハウが凝縮されています。
「授業立案・運営方法」「運営(資金繰り・スタッフ・組織運営)」「集客(宣伝・広報など)」「これからのソーシャル系大学の在り方」の4つの視点でノウハウをまとめました。
例えば、「授業立案・運営方法」のノウハウとして「遊び心を持つべし」「言いだしっぺがコーディネートすべし」とか、「運営」では「スタッフの得意なことを役割にあてるべし」「スタッフがやりたいことを実現すべし」「スタッフも楽しむべし」とか、「集客」では「勝手に大学なので、目的は集客ではないのだ」「無理したら、続かないですよ」「“集める”のではなく“集まる”を意識すべし」という感じ。
全国から集まったオトナたちが楽しく真剣にワークショップに向き合う姿は、コドモのような純粋さを感じました。ソーシャル系大学だからと言いながらも公共の大学ではないのです。誰かのためでなく、自分のため。自分が学びたいから、多様な人たちと繋がりたいから作ったコミュニティがソーシャル系大学。そんな活動の原点を思い出させてくれたCCBでした。
誤解がないように書くと、誰かのためでなく、自分のため。だからと言って、自分だけのためではない。自分のためが誰かのためになっている。つまり、自分たちのため。利己が利他に繋がっているということ。大切なのは、自分がやりたいか?自分が楽しみたいか?自分が楽しんでいるか?。
これってソーシャル系大学の企画運営だけでなく、地域活動や会社の仕事も同じように感じませんか?
「自分事=自分たち事=地域事」「自分事=自分たち事=会社事」になると、豊かに生きていると感じませんか?
さらに、その先に“社会事”があるんでしょうね。そんなことに気づかせてくれたCCBでした。
(※1) コミュニティカレッジ・コンソーシアム(CCC)調べ。2018年6月時点。
「こすぎの大学」ホームページ・facebookページ
https://www.kosuginouniv.com/
https://www.facebook.com/kosuginouniv
写真提供: 信州アルプス大学