鉄拳パラパラマンガ「名もない毎日」と、大切な家族
鉄拳パラパラマンガ「名もない毎日」。
何回見ても涙が出そうになります。好きな人が近くにいることを感謝しないと、って本当にそう思い返されます。
本気で、好きな人が近くにいることを感謝した経験が数年前にありました。2010年4月の出来事です。
2009年4月〜9月までマーケティング業務に加えて、商品戦略も兼務して、毎日帰宅は24時過ぎ、土日も調査の立ち会い等で出勤が続く毎日でした。身体的にも「おかしいな?」と思うことも多々あり、残業時間中の深夜に立ちくらみで倒れそうになる日がかなりありました。深夜の残業時間で倒れても誰にも気づいてもらえない恐怖感から無理して帰宅していたことを鮮明に覚えています。
10月以降は兼務が外れ、マーケティング業務だけに専念することができ、身体的にも余裕が若干生まれてきたのですが、2010年4月、いきなり身体に異変が起きました。
年齢を重ねたからかはわかりませんが、身体への異変はすぐにではなく、ある一定期間が経ってから起きるんですね...。
取引先に向かう途中、北千住の駅ビルで昼食のラーメンを食していると喉につまるというか、落ちず、息さえもできなくなり、お店を出ました。息ができない時間が数分以上続き、ようやく嘔吐して何とか息ができるようになりました。この時は、駅前で人が行き来する中、倒れて死んでしまうのかと怯えましたし、助けを呼びたくても息ができないのですから声も出せず、本当にこのまま死ぬかと思いました。
で、その日以降、頭痛が激しく、脳卒中のような症状を頻繁に感じるようになりました。週末に妻の実家に行った時も、到着したと同時に気分が悪くなり、救急車を呼ぶ始末。ただし、救急車が来る前に症状も治まり、救急車はキャンセル。その後、一人で帰宅し、毎晩、不安な日々を過ごしていました。
普段は、重度の風邪でも病院に行かない僕ですが、さすがに病院に行って精密検査をお願いしました。ただし、MRIは予約制で検査まで約1か月間待つことに。その1か月間も脳卒中のような症状は続き、「死」を感じる日々でした。
寝室では、妻と娘と僕が川の字に布団を並べて寝ているのですが、この時は、大好きな娘と離れ離れになってしまうかもという不安から、娘の手を握りながら寝ていました。
もちろん、仕事から帰ってきたら、すでに娘は寝ています。寝ている娘の手を握って寝る僕。本当は話しかけたいけど、手を握ることしかできない歯がゆさ等も抱える毎晩でした。
約1か月後のMRI検査では、若干の異常は認められたものの、極度の疲労の蓄積によるものということで脳卒中ではないとの診断を得られ、それ以降、体調に気をつけることで健康な日々を過ごせています。
大げさかもしれませんが、自分の人生の中で一番「死」を感じた時、大好きな娘や妻が近くにいることの大切さを感じましたし、失うことの怖さも感じました。
仕事も大好きですが、仕事が原因で家族を失っては意味がないですし、仕事より家族の方が大切だと気づかされた経験でした。
「名もない毎日」が一番幸せだと感じている、この数年です。