『「先読み力」で人を動かす』(村中剛志さん著)
先日、イベントで知り合った村中剛志さんの著書『「先読み力」で人を動かす』。
本書を通じて一番感じたことは、本書では直接は書かれていない「余白」作り。
イノベーションを創出するには、「余白」のある思考や行動が重要となりますが、その余白を作るためには、既存のワークを効率的に進める必要があります。
本書は、既存のワークを効率化するためのノウハウが凝縮されており、オススメの一冊です。
具体的には、プロアクティブな、つまり、先読み力のあるタスク管理やチームマネージメントを通じて、自分自身、更にはチームメンバーの「成長」を促し、既存のワークを効率化していく。
既存のワークを効率化した結果として生まれる「余白」。その「余白」で、イノベーションをおこすために、次代作りの創造的活動や、人的ネットワーク作りをしていく。
重要なのは、成長する喜びを実感することで、自発的なチームができること。つまり、自発的になることで「余白」を自ら作り出し、自ら活用し始めるんですよね。
マイナスをなくすという「効率の最大化」と、プラスを創出する「効用の最大化」。両者がお互いに不可欠な要素であることを気づかせてくれる本書。実体験に基づいた内容なので、共感度合い100%の一冊でした。
<気になった内容>
●「先読み力」とは、起こりえる出来事(問題)を推測・発見する力のこと。
●チームをリードするためには、「ノウハウとしてのツールと手法」と「目標達成のためのマインド」の2つが大切
●成果を上げることができる人の多くは、プライベートも楽しんでいる。「できる人」たちはワークライフバランスをうまくコントロールしている。時間の余裕を生み出し、人生を充実させている。
●プロアクティブ(一歩先に)とリアクティブ(一歩後で)で
は、2歩の差が生じる。この差は、果てしなく大きい。
●「成長」は、一見無駄に見える遠回りをすることでのみ得られる。
●リーダーの重要な役割は、メンバーの成長をサポートすること。
●毎日、スケジュールをつけること。予定(計画)と実績を記入し、その差分を分析する。そして、先読みできなかった仕事は「なぜ&どうすれば」を自問することで、次からプロアクティブに転換できる。
●手書きのスケジュール。毎週日曜日と平日の朝、パソコンのスケジュールをノートに転記・修正している。理由は、「書くという行為が効果的」だから。書くことで記憶が定着し、関連するToDoを想像しやすくなる。これは僕も同じ。
●タスク管理の切り口。「人・物・金・情報+時間」
●仕事の優先順位を考える4つの箱。「緊急度(高・低)」と「重要度(高・低)」の組み合わせ。
●他人の時間を奪うメール。自分が返信しなくても半日経てば解決されているメール。
●ミーティングの目的。「情報収集」「情報共有化」「意思決定」「説得」「調整」「ブレスト」の6つ。
●ミーティングのクオリティは、事前準備によってほぼ決まる。つまり、ファシリテーション能力。
●ミーティング結果を行動につなげるための「3WH」。何を(what)?、誰が(who)?、いつまでに(when)?
●シンプル議事録。議事録を1分で書く方法。記載内容は「概要」(タイトル・参加者)、「目的」、「総括」(主要議題・決定事項)、「次回」(次の一手)。
●期待値をコントロールして成功に持ち込む。
●リーダーとして必要な3つのこころ。「リードするこころ」「援助するこころ」「感謝するこころ」。スキルではなく、“こころ”。
●リーダーがチームメンバーをサポートするためにできること。著者の答えは「我慢できるまでメンバーに任せる。そして、見守り応援し、最後はゴミを拾っていく」。
●リーダーは万が一に備えて、70%の力で働くことが大切。チームメンバーに問題が発生した際に対処できる余力を残しておく。
<構成>
序章 先読み力ってなに?
第1章 あなたの先読み力を知る
第2章 先読み力を鍛えるタイムマネジメント
第3章 メンバーが躍動するチームマネジメント
第4章 成果を生み出すミーティングはこうつくる
第5章 チーム関係者を巻き込み成功に導く
終章 リーダーに必要な三つのこころ