『フロネシス10 シニアが輝く日本の未来』(著:三菱総合研究所)
一般社団法人企業間フューチャーセンターも協力させていただいたPD(Planetary Design)講座。2013年12月18日のPD講座で、三菱総合研究所 プラチナ社会研究センター 主席研究員 松田智生さんに紹介していただいた「プラチナ社会」の話。
三菱総合研究所 プラチナ社会研究センター 主席研究員 松田智生さん
研究成果をまとめられた一冊が『フロネシス10 シニアが輝く日本の未来』。お話しをお聞きしてから3か月以上が経ってしまいましたが、拝読したので、改めて気づきを。
高齢化率が25%を超えている「超高齢社会」の日本。身体的な健康年齢も向上し、70代前半までは「中年」という考え方もできつつあります。僕は41歳ですが、僕と同じです。モノが満たされた現在。多様性に応じたコト(体験)が提供され、また、誰もがCo-Creatorとしてコトを創出し始めた現在。知らない、そして、体験していないコトに囲まれた現在。知らないことを知るという「学ぶ」「成長する」ということに楽しさを感じている、この数年の僕。飽くなき探究心。学んで成長するという小学生のような輝き。そんなキモチを抱き続け、そして、世代を超えてノウハウを授受し合える社会。そんな社会が、きっと「プラチナ社会」なんでしょうね。
その一例として、新たな学びの形である「立教セカンドステージ大学」。50歳以上の方々を対象にした入試もある大学。新たな生涯学習の場。
「こすぎの大学」も、武蔵小杉に住まう・勤める・集う方々の交流、そして、生涯学習の場として育てていきたいですし、育て方を学びながら毎回の運営に携わる僕が、きっと成長できる場にもなるはず。
いつもながらノープランな僕ですが、『シニアが輝く日本の未来』を読了して、新しい楽しみを見つけました♪
新たな学びの形「立教セカンドステージ大学」
地域コミュニティ形成のための喫茶店「ミヤマ珈琲」
<気になったキーワード>
- 70代前半までは、まだ中年。社会を支える人。
- プラチナ社会とは、衣食住の確保、移動の自由、情報の自由、そして、長寿といった目標が「量」的に満たされたとき、さらに目指すべき「質」の高い社会のこと。
- 日本の高齢化率(65歳以上の人口比率)は25%を超えた。一般に高齢化率が7%以上の社会を高齢化社会、14%以上で高齢社会、21%以上で超高齢社会と呼ぶ。
- 2030年には5人に1人が75歳以上。そして、高齢者の4割が独居。
- 幸せな加齢の5条件「栄養」「運動」「人との交流」「新しい概念の受容性」「前向きな思考」。それなのに、経年変化では、都市部の男性は、人付き合いが減少傾向に。
- セカンドライフに合った新しい働き方。自宅から徒歩や自転車で行ける範囲に、自分で時間を決めて働ける場所。月に数万円の収入でも、とにかく家を出て、人と交わって働く機会をつくる。例えば、世代を超えた知識の伝達。
- 高齢者の多様性に社会は注目すること。
- これからのシニアの欲求領域「自己実現」「尊敬・承認(認め合う)」「所属・愛(つながり)」
- ホームコンビニエンスサービス。東急グループ「東急ベル」。
- シニア世代がゆっくりと過ごす喫茶店、地域コミュニティ形成のための喫茶店。銀座ルノアール「ミヤマ珈琲」。
- フランス政府の施策「ひとつ屋根・ふたつ世代」による「世代間同居」。家賃システムは、シニアと過ごした時間が増えるほど、安価な料金設定になっている。週に6日の一緒の夕食と夜間住宅を約束した学生は家賃が無料になる。仲介機関には、シニアに6万円、学生に4万円、合計10万円の手数料収入がある。かつての日本の「下宿」と同じ。
- シニア人材派遣ビジネス。年齢は背番号、人生に定年なし「株式会社マイスター60」。
- 講師はすべてシニア。イギリスの授業サイトサービス「The Amazings」。
- 新たな学びの形。立教大学「立教セカンドステージ大学」。成功要因は、①入学・卒業条件の設定、②ゼミ合宿やサークル活動などを通じた仲間づくり、③学部生と授業を受けられる世代交流の機会。
- 人間誰でも歳を重ねると先入観や思い込みが強くなり、人の意見を聞かずに自分の話ばかりするようになる。だからこそ、世代や視座の違う人の話を傾聴するワークショップが重要となる。
<構成>
- TALK 対談「プラチナ社会への挑戦はシニアが主役になる」
- SUCCESSFUL AGING 総論「社会の担い手となるシニア」
- SECOND LIFE セカンドライフ「これからのシニアが望む3つの欲求」
- SENIOR WOMEN 女性「自分らしく生きる都会単身シニア女性」
- TECHNOLOGY 技術「プラチナ社会を支える3つの技術」
- CCRC 住まい「シニアが生き生きと暮らすコミュニティへ」