『偉大なるコナミのMSXゲーム伝説』(著:MSXアソシエーション)
Kindleで『偉大なるコナミのMSXゲーム伝説』(著:MSXアソシエーション)を読んで、僕の個性はMSXでの体験を通じて確立されたと言っても過言ではないような気がしました。大げさと思われるかもしれませんが、多分の影響力があったのは事実。
蓮舫さんが事業仕分けで「世界一になる理由は何があるんでしょうか?2位じゃダメなんでしょうか?」と課題提起したことがありましたが、ファミコンが全盛の中、MSXと暮らした日々があったからこそ、2位以下や弱者を肯定したり、多様性を尊重したりすることができるようになった気がしてなりません。
僕とMSXの出会い
小学校5年生か6年生の時、ファミコンブームの中、僕が選んだのはMSXでした。SONYのHITBIT HB-55。
ファミコンのソフト、当時はカセットと呼んでいましたが、そのカセットが高額だったため、自分でプログラムから総コストは安くなると親を説得してMSXを買ってもらいました。『マイコンベーシックマガジン』のプログラムを入力してゲームを作りつつも、結局はハイクオリティなゲームを求めてROMカセットも購入し、親を裏切る結果に... m(_ _)m
最初に買ったカセットがコナミの「けっきょく南極大冒険」。画面やサウンドの美しさからファミコンもMSXも変わらないものと信じて疑わなかった最初の作品でした。
でも、その後、徐々にファミコンとMSXの違いを目の当たりにするようになりました...。
ファミコンとMSXの違いに唖然
MSXでプログラミングすればファミコンと同じゲームができると信じて止まなかった僕ですが、ナムコのゲームで、その期待は見事に打ち砕かれました。例えば「マッピー」。ファミコンはアーケードゲーム同等の再現性なのに、MSXは「えっ!?」と二度見するくらいの低クオリティ。何よりもびっくりしたのがキャラクターが単色なこと。
そんな僕を救ってくれたコナミのゲーム
友だちの家でファミコンで遊ぶたびにMSXのクオリティにがっかりだったのですが、そんな僕を救ってくれたのが「けっきょく南極大冒険」の開発元であるコナミのゲームでした。
他メーカーが単色のキャラクターでがっかりさせるばかりだったのに対して、コナミは全力でハイクオリティのゲームをMSXに投入してくれました。ファミコンのお下がり(移植)でなく、MSXのオリジナルゲームを開発して、それをファミコンに移植したりと、MSXとファミコンが同等、いや、MSXとファミコンにはそれぞれの個性があって、お互いに尊重し合う、共存し合う存在なのだと教えてくれました。
それを実感して、感謝したのが「魔城伝説」。ファミコンには面白いゲームがたくさんあるけど、「魔城伝説」はMSXでしかプレイできないんだという誇りも感じていました。
「魔城伝説」以降、さらにMSXを誇りに思うゲームがコナミから続々と発売されました。
- イーガー皇帝の逆襲
- グラディウス2
- 夢大陸アドベンチャー
- F1スピリット
MSXとコナミのゲームを通じて学んだこと
MSX、そして、コナミのMSXゲームから学んだことは多いです。MSX、コナミのMSXゲームに感謝の言葉は尽きません。ありがとうございました。
- 多様性の尊重
ファミコンとMSXのお互いの個性を尊重し合うこと。 - 限界への挑戦
「マッピー」を通じて単色キャラクターでしか再現できないというハードの限界を感じて諦めていたけど、創意工夫により本当の限界まで辿り着くことができる。 - 作る楽しさ
プログラミングすることでゲームができる喜び。無から有を作る喜び。だからこそ、僕はメーカーに就職したのだと思います。
気になったキーワード
- 「グラディウス2」以降、MSX少年少女たちは「コナミ=凄いゲームを作る会社」と心に深く刻みつけることとなった。心底MSXを持ってて良かったと思ったものだ。
- 1MビットROM。実際は128キロバイト。それまでの4倍となる。
- 作者: MSXアソシエーション
- 出版社/メーカー: KADOKAWA / アスキー・メディアワークス
- 発売日: 2015/03/19
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログ (3件) を見る