COVID-19で考えるCSVの難しさ
CSRからCSV(Creating Shared Value:共有価値の創造)へと言われるようになり久しいが、COVID-19でCSVの難しさを再認識しています。
マイケル・ポーター教授が提唱したCSVとは社会価値と経済価値を両立する概念であり、ビジネスモデル。
マイケル・ポーター教授はX軸に経済価値、Y軸に社会価値を設定しました。経済価値が高まると、社会価値も高まるということ。ただし、企業は短期的利益を追求する結果、マイクロプラスチック問題や食料廃棄ロスなどの社会課題に対処できず、実際は社会価値は高まっていない。
CSVに対して、J-CSV(日本版CSV)を提唱している名和高司教授。近江商人の三方良し「自分良し・相手良し・世間良し」に代表されるように共通善や社会貢献をベースに経済や社会を成立してきた日本的な考え方。CSVとは逆で、X軸に社会価値、Y軸に経済価値と置き換えることができるのではないか?とのこと。社会価値が高まると、経済価値も高まる。ただし、失われた30年にあるように日本は経済価値を高めることができないままの状態にある。
今回、COVID-19による緊急事態宣言で日本は「自粛」という選択肢を採用しました。生活者や経営者の良心に任せるということ。その結果、COVID-19の新規感染者は減少傾向となり社会価値は高まっているものの、飲食店を中心に経営難になり、また、大企業の決算でも赤字の発表が続いています。
社会価値と経済価値を両立することの難しさを痛感します。
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